2004年 11月 11日
ご夫婦のご親切にわし大泣き
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一向にやむ気配のない雨に、おいとまする口実も見つからず
そのまま、しばらくご厄介になってしまった。
奥さんはお昼の支度までしてくれて、客間に食事を運んでくれた。
一層、出るタイミングを失う。
二人は気を使ってくれて、部屋を離れていった。
「どうしよう・・・、このままいるわけにはいかないよね・・・」
「タイミングを見ておいとましよう、お二人もお昼を食べるだろうから
それが終わる頃を見計らって。」
食後を見計らって、奥さんがお茶を持ってきてくださった。
これが、何か薬膳茶のようでおいしい。
「おいしいお茶ですね」と言うと、ご自宅で煎じているものらしい。
奥さんが
「こんなことを聞いたら失礼になると思うのだけど
なんでお二人は、四国を思い立ったの?」
と聞いてきた。
わしらには、確固たる理由がない・・・
「特に、理由がないのですよ。思い立って、なんとなくこうなりました。」
「なんで、こうなったかもよくわからないのですが
今にして思えば、誰かが導いてくれたのかも知れません。
私の祖父、もう亡くなりましたが、この祖父はお大師様を
拝んでおりましたので、祖父が導いたのではないかと思っています。」
相方が、こう二人に告げた。
「そうねえ、そうかもしれないわねえ。なにかあるから、
お二人は、ここに来ることになったのかも知れないわねえ。」
奥さんは大きくうなずいた。
そしてわしらは、たまたま大雨で道を外れたせいで
こうしてお二人の親切をいただいた。
「雨も小降りになってきましたし、出発させていただこうと思います。
本当にいろいろとありがとうございました。」
「そうなの、泊まっていったらいいのに、残念ねえ・・・」
奥さんは名残惜しそうで、泊まっていくべきかな。とも思ったが
これ以上、甘えるわけにも行かない。
出発することにする。
帰り際、二人でお接待のお返しの納め札を渡した。
わしは、裏に「ありがとうございました」とだけ書いたが
相方は、もう一言足したらしい。
奥さんはそれに、いたく感激していた。
「失礼でなかったら、ご住所とお名前をお教えいただけませんでしょうか?
旅が終わった時に、ご挨拶をしたいので」とわしは、ノートを出した。
「いいえ、そんなことはいいんですよ。お接待は当たり前のことなのだから。
私たちはお二人が無事に旅を終えて
なにか感じてくだされば、それでいいんですよ」
お二人は、頑として住所を教えてくださらなかった。
さらに、出発の用意を済ませたわしらに、ポカリスエットの缶と
少なくない現金を渡してくれた。
「いえいえ、もう充分にご親切にしていただきました。
お金までいただくわけにはまいりません」
「これはね、いつお遍路さんにあっても渡せるように
用意してあるものだからいいのよ。
先ほどのご主人のお話に感動したのでね」
わしは二人の前で号泣してしまった・・・
「こんなに、見ず知らずのものを親切にしてくださって・・・
私は今までに、これほどご親切にしていただいたことはありません・・・」
・・・四国を歩いて廻るということは、こういうことなのだ。
そのまま、しばらくご厄介になってしまった。
奥さんはお昼の支度までしてくれて、客間に食事を運んでくれた。
一層、出るタイミングを失う。
二人は気を使ってくれて、部屋を離れていった。
「どうしよう・・・、このままいるわけにはいかないよね・・・」
「タイミングを見ておいとましよう、お二人もお昼を食べるだろうから
それが終わる頃を見計らって。」
食後を見計らって、奥さんがお茶を持ってきてくださった。
これが、何か薬膳茶のようでおいしい。
「おいしいお茶ですね」と言うと、ご自宅で煎じているものらしい。
奥さんが
「こんなことを聞いたら失礼になると思うのだけど
なんでお二人は、四国を思い立ったの?」
と聞いてきた。
わしらには、確固たる理由がない・・・
「特に、理由がないのですよ。思い立って、なんとなくこうなりました。」
「なんで、こうなったかもよくわからないのですが
今にして思えば、誰かが導いてくれたのかも知れません。
私の祖父、もう亡くなりましたが、この祖父はお大師様を
拝んでおりましたので、祖父が導いたのではないかと思っています。」
相方が、こう二人に告げた。
「そうねえ、そうかもしれないわねえ。なにかあるから、
お二人は、ここに来ることになったのかも知れないわねえ。」
奥さんは大きくうなずいた。
そしてわしらは、たまたま大雨で道を外れたせいで
こうしてお二人の親切をいただいた。
「雨も小降りになってきましたし、出発させていただこうと思います。
本当にいろいろとありがとうございました。」
「そうなの、泊まっていったらいいのに、残念ねえ・・・」
奥さんは名残惜しそうで、泊まっていくべきかな。とも思ったが
これ以上、甘えるわけにも行かない。
出発することにする。
帰り際、二人でお接待のお返しの納め札を渡した。
わしは、裏に「ありがとうございました」とだけ書いたが
相方は、もう一言足したらしい。
奥さんはそれに、いたく感激していた。
「失礼でなかったら、ご住所とお名前をお教えいただけませんでしょうか?
旅が終わった時に、ご挨拶をしたいので」とわしは、ノートを出した。
「いいえ、そんなことはいいんですよ。お接待は当たり前のことなのだから。
私たちはお二人が無事に旅を終えて
なにか感じてくだされば、それでいいんですよ」
お二人は、頑として住所を教えてくださらなかった。
さらに、出発の用意を済ませたわしらに、ポカリスエットの缶と
少なくない現金を渡してくれた。
「いえいえ、もう充分にご親切にしていただきました。
お金までいただくわけにはまいりません」
「これはね、いつお遍路さんにあっても渡せるように
用意してあるものだからいいのよ。
先ほどのご主人のお話に感動したのでね」
わしは二人の前で号泣してしまった・・・
「こんなに、見ず知らずのものを親切にしてくださって・・・
私は今までに、これほどご親切にしていただいたことはありません・・・」
・・・四国を歩いて廻るということは、こういうことなのだ。
by fudarakutokai
| 2004-11-11 12:05
| 修行の道場(高知)