2004年 11月 15日
おじさん遍路と道行きになる
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しばらく、交通量の多い国道を行くと、後ろからおじさん遍路がやってきた。
「おはようございます」
話しをするとなんとこの人は、昨晩見かけた隣の宿の白衣の主であった。
「あー、村の家に泊まったんですか?
私、その隣りでしたよ。どうでした?村の家?」
おじさんは、村の家さんの外見で『よくない』と
決めてかかってる口調で、尋ねてきた。
「えー、よかったですよ。外観はあんなだったけど」
相方が言う。
「なかなか、昔の旅籠みたいで風情があってよかったよねー。
宿の人も親切だったし、布団も敷いてくれたし」
「え?布団はどこも敷いてくれますよ?
そうか、よかったのか。
となりは、いまいちだったんでねー。
え、値段も千円違う。そっちにすればよかったかなあ」
布団を敷いてくれるのは、男の人だからのようだ。
わしらは夫婦で、妻であるわしがやればいいと思われているのか。
でも、よく聞いてみたら隣の「よくない」というのは
女将があまり話をしない人だった。というところだけらしい。
どうも、定年後おじさん遍路は
誰もが、宿の内容に対してハードルが高い気がする。
あまーい!!
いつも奥さんにやってもらってる、“おじさんたち”こそ
こういう時はすべて一人でやるべきなのだ!!
わしはおじさんにはきびしいのだ!
この人は
「その前はどこに泊まりました?」となにやら紙を取り出した。
見ればそれは、ある先輩遍路が自分のHPに載せている
遍路宿情報をプリントしたものであった。
「『あわ』さんですけど・・・」
わしらものぞき込むと、そこには『あわ』最低ランクが付けてあった。
「え、あわですか・・・」
おじさんはそこを見て、うわあ、といった感じで声を上げた。
「えー、よかったですよ、あわさん。
奥さんもいい人だったし。食事もおいしくて」
「そうですか?」
おじさんは疑いの眼でわしらを見た。
その一覧には、『あわ』の悪いところが、つらつらと書き連ねてあった。
たしかにそんなところもあったが、わしらの場合
『宿の人の感じの良さと、お値段と、お食事内容』で
わりと他のことは払拭されてしまうのだ。
そういう意味では、かなりハードルを低く設定しているのだと思う。
でも、5千円から6千円程度の金額で
ここまでやってくれる宿に対して
なんの文句もないと思うが。
おじさん遍路の【宿のハードル】話しは
このあともちょくちょく出てくるはずだ。
おじさんは“情報遍路”で、他にも
「お二人とも、歩き方がしっかりしてますねー。
一番から歩いてきてそれですか?
私は33番からだけど足が痛くて。」
「えー、私たちも始めは痛かったですよ、私なんてマメもできたし。
でも、うちのは足、痛がらなかったですねー。マメもできなかったし。」
「え!そうなんですか?靴、何はいてるんですか?ゴアテックスですか?」
ゴアテックスは、マメとは関係ないと思うけど・・・
「いや、私のはゴアテックスですけど、こちらのは違いますよ。
雨の日は大変だったようですよ。でも、形は足にピッタリみたいで。」
おじさんは、マメのできなかったという
相方の靴に興味津々だったが
ゴアテックスでないと知ると、一気に冷めたようだった。
で、この時おじさんは『ゴアテックス行者』と命名された。
話しは違うが、わしは普段でも人前で相方のことを「相方」と呼んでいる。
絶対に“夫や主人、ましてはダンナ”などと呼ばない。
知っている人の前ではそれでも通るが、初めて会う人に
「相方は・・・」とはさすがに言えない。
“うちのは”とか“こちらは”などと言ってごまかしている。
だから、会話もちょっと分かりづらいかも・・・
「おはようございます」
話しをするとなんとこの人は、昨晩見かけた隣の宿の白衣の主であった。
「あー、村の家に泊まったんですか?
私、その隣りでしたよ。どうでした?村の家?」
おじさんは、村の家さんの外見で『よくない』と
決めてかかってる口調で、尋ねてきた。
「えー、よかったですよ。外観はあんなだったけど」
相方が言う。
「なかなか、昔の旅籠みたいで風情があってよかったよねー。
宿の人も親切だったし、布団も敷いてくれたし」
「え?布団はどこも敷いてくれますよ?
そうか、よかったのか。
となりは、いまいちだったんでねー。
え、値段も千円違う。そっちにすればよかったかなあ」
布団を敷いてくれるのは、男の人だからのようだ。
わしらは夫婦で、妻であるわしがやればいいと思われているのか。
でも、よく聞いてみたら隣の「よくない」というのは
女将があまり話をしない人だった。というところだけらしい。
どうも、定年後おじさん遍路は
誰もが、宿の内容に対してハードルが高い気がする。
あまーい!!
いつも奥さんにやってもらってる、“おじさんたち”こそ
こういう時はすべて一人でやるべきなのだ!!
わしはおじさんにはきびしいのだ!
この人は
「その前はどこに泊まりました?」となにやら紙を取り出した。
見ればそれは、ある先輩遍路が自分のHPに載せている
遍路宿情報をプリントしたものであった。
「『あわ』さんですけど・・・」
わしらものぞき込むと、そこには『あわ』最低ランクが付けてあった。
「え、あわですか・・・」
おじさんはそこを見て、うわあ、といった感じで声を上げた。
「えー、よかったですよ、あわさん。
奥さんもいい人だったし。食事もおいしくて」
「そうですか?」
おじさんは疑いの眼でわしらを見た。
その一覧には、『あわ』の悪いところが、つらつらと書き連ねてあった。
たしかにそんなところもあったが、わしらの場合
『宿の人の感じの良さと、お値段と、お食事内容』で
わりと他のことは払拭されてしまうのだ。
そういう意味では、かなりハードルを低く設定しているのだと思う。
でも、5千円から6千円程度の金額で
ここまでやってくれる宿に対して
なんの文句もないと思うが。
おじさん遍路の【宿のハードル】話しは
このあともちょくちょく出てくるはずだ。
おじさんは“情報遍路”で、他にも
「お二人とも、歩き方がしっかりしてますねー。
一番から歩いてきてそれですか?
私は33番からだけど足が痛くて。」
「えー、私たちも始めは痛かったですよ、私なんてマメもできたし。
でも、うちのは足、痛がらなかったですねー。マメもできなかったし。」
「え!そうなんですか?靴、何はいてるんですか?ゴアテックスですか?」
ゴアテックスは、マメとは関係ないと思うけど・・・
「いや、私のはゴアテックスですけど、こちらのは違いますよ。
雨の日は大変だったようですよ。でも、形は足にピッタリみたいで。」
おじさんは、マメのできなかったという
相方の靴に興味津々だったが
ゴアテックスでないと知ると、一気に冷めたようだった。
で、この時おじさんは『ゴアテックス行者』と命名された。
話しは違うが、わしは普段でも人前で相方のことを「相方」と呼んでいる。
絶対に“夫や主人、ましてはダンナ”などと呼ばない。
知っている人の前ではそれでも通るが、初めて会う人に
「相方は・・・」とはさすがに言えない。
“うちのは”とか“こちらは”などと言ってごまかしている。
だから、会話もちょっと分かりづらいかも・・・
by fudarakutokai
| 2004-11-15 10:00
| 修行の道場(高知)