2004年 11月 16日
船主さんのご厚意
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四万十川の河口、渡し船乗り場付近は閑散として
人っ子一人見あたらず、静かーであった。
乗り場にはちょっとした屋根付きの待合所があるが
もちろん誰もおらず、船着き場も
「え、ここ使ってるの?」と言った感じだ。
「今日、休みじゃないよね?」
あきらめて、次の2時20分まで待つ心づもりをしたが
これで待っていて「今日は休みでしたー」では、泣くに泣けない。
一応確認してみようと、遍路地図に記載されている
船主さんの所に電話をかけた。
しばらく鳴らしてやっと男の人がでた。
「こんにちは、あの、渡し船をされている間崎さんのお宅でしょうか?」
「そうですが」
「今日は渡しはされていますか?」
「ああ、してるけど12時は出ちゃったよ」
「はい、次は2時ですよね?実は今ついたところなんですが、2時まで待ちます。
それで、今日は出航しているか、お聞きしておこうと思いまして。
やっているのなら待ってますので、よろしくお願いします」
「ああ、そうですか」
それで電話は切れた。
仕方がない。3k先の橋まで回り道しても、ここで2時過ぎまで待っても
対岸に着く時間は対して変わらないだろう。
待合所のイスに座り、お昼ご飯のパンを食べることにした。
二口、三口パンをかじっていると、一台の軽トラックがやってきた。
むっつり黙ったおじさんがトラックから降りて、
そばに浮かんでいた、小さい船を引っ張り出した。
「?」
おじさんは、われわれの方を見ると一言
「出してやるから乗りなさい」と言った。
船主の間崎さんのようだ。
おじさんは船を船着き場に移動させ、エンジンをかけた。
「え?え?あ、ありがとうございます!!」
二人とも状況が把握しきれず、それでも急いで
食べかけのパンをザックに押し込んで、船に乗り込んだ。
おじさんのご厚意でわれわれ二人は、広い四万十川の河口を
船で渡ることができた。
所要時間10分。
おじさんは操舵室。われわれはデッキでのんびり。
「ねえ、運賃どうする?」
「え?」
「わざわざ、わしらのためだけに出してくれたのに定額は悪くない?」
「じゃあ、いくら?」
乗車賃はなんと一人100円。
相談した結果、ちょっとだけプラスして運賃箱に入れた。
対岸に着いてわれわれを下ろすと
おじさんは操舵室から出ることなく
船先を回転させ、元の岸に向かった。
ずっと、ムッツリしていたので
「時間外に出航して機嫌が悪かったかな」
と思っていたが、最後、岸に着いたわれわれに
操舵室から手を振ってくれた。
わしも大きく、手、というより両腕をブンブン振った。
対岸も何人か釣り人がいるだけで、さみしい。
こちらから向こう側に渡りたい場合は
「これを振ってください」
と、先に赤い布がついた竿が立てかけてあった。
人っ子一人見あたらず、静かーであった。
乗り場にはちょっとした屋根付きの待合所があるが
もちろん誰もおらず、船着き場も
「え、ここ使ってるの?」と言った感じだ。
「今日、休みじゃないよね?」
あきらめて、次の2時20分まで待つ心づもりをしたが
これで待っていて「今日は休みでしたー」では、泣くに泣けない。
一応確認してみようと、遍路地図に記載されている
船主さんの所に電話をかけた。
しばらく鳴らしてやっと男の人がでた。
「こんにちは、あの、渡し船をされている間崎さんのお宅でしょうか?」
「そうですが」
「今日は渡しはされていますか?」
「ああ、してるけど12時は出ちゃったよ」
「はい、次は2時ですよね?実は今ついたところなんですが、2時まで待ちます。
それで、今日は出航しているか、お聞きしておこうと思いまして。
やっているのなら待ってますので、よろしくお願いします」
「ああ、そうですか」
それで電話は切れた。
仕方がない。3k先の橋まで回り道しても、ここで2時過ぎまで待っても
対岸に着く時間は対して変わらないだろう。
待合所のイスに座り、お昼ご飯のパンを食べることにした。
二口、三口パンをかじっていると、一台の軽トラックがやってきた。
むっつり黙ったおじさんがトラックから降りて、
そばに浮かんでいた、小さい船を引っ張り出した。
「?」
おじさんは、われわれの方を見ると一言
「出してやるから乗りなさい」と言った。
船主の間崎さんのようだ。
おじさんは船を船着き場に移動させ、エンジンをかけた。
「え?え?あ、ありがとうございます!!」
二人とも状況が把握しきれず、それでも急いで
食べかけのパンをザックに押し込んで、船に乗り込んだ。
おじさんのご厚意でわれわれ二人は、広い四万十川の河口を
船で渡ることができた。
所要時間10分。
おじさんは操舵室。われわれはデッキでのんびり。
「ねえ、運賃どうする?」
「え?」
「わざわざ、わしらのためだけに出してくれたのに定額は悪くない?」
「じゃあ、いくら?」
乗車賃はなんと一人100円。
相談した結果、ちょっとだけプラスして運賃箱に入れた。
対岸に着いてわれわれを下ろすと
おじさんは操舵室から出ることなく
船先を回転させ、元の岸に向かった。
ずっと、ムッツリしていたので
「時間外に出航して機嫌が悪かったかな」
と思っていたが、最後、岸に着いたわれわれに
操舵室から手を振ってくれた。
わしも大きく、手、というより両腕をブンブン振った。
対岸も何人か釣り人がいるだけで、さみしい。
こちらから向こう側に渡りたい場合は
「これを振ってください」
と、先に赤い布がついた竿が立てかけてあった。
by fudarakutokai
| 2004-11-16 12:20
| 修行の道場(高知)