2004年 10月 28日
カエル行者の話を聞く
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吉野川を渡りきった堤防に、りっぱな遍路小屋があった。
遍路小屋というのは、遍路のために休憩、野宿できるよう
各地域や自治体などが、造ってくれた避難小屋のようなものだ。
ここも自動水洗が完備され、木製のベッドもあり
宿泊可能な場所だった。
(小屋によっては、宿泊不可の所もある)
木のベッドに腰掛け、ひとごこち。
非常食のクッキーや、朝食についていた
バナナを食べようということになった。
そこへ一足遅れで、大荷物を背負った
例の修行僧風遍路がやってきた。
「こんにちは」と挨拶を交わすと彼も
「吉野川を渡ったら、いつもここで休むんです。
ご一緒させてもらいますよ。」
とベッドに腰掛けてきた。
わしらは、ちょっとずれて、彼のためのスペースを作った。
話し好きのようで、いろいろ話しかけてくる。
聞くところによると、彼はあるお寺の住職で
時間があると遍路をしているそうだ。
もう何十回と廻っていて、いつも野宿だという。
何度も廻っているだけあって、いでだちからして違う。
菅笠も、柿渋を塗ったりっぱな網代笠だし、
杖もその辺で売っている金剛杖ではなく
自然木を利用した、仙人が持つ杖のようだ。
で、遍路中に会った人々、社会情勢、
細木数子氏のことまで話してくる。
道中に、何人も手かざしで治療し
人生相談にものってきた。などと言いだした。
なんだか、半分うさんくさいような感じもする。
相方が隣なのをいいことに
わしは話半分、「お腹空いたなあ・・・」
等と思いつつボーッとしていた。
相方もはあ、はあ・・と生返事だ。
それでも20分ほど話したであろうか。
ひげを生やした50歳代くらいの
おじさん遍路がやってきた。
彼はすでに、この修行僧とは顔見知りのようだ。
さすがにここに4人は入れない。
これ幸いとわしらはお暇することにした。
小屋から離れてしばらくすると、どちらからともなく言い出した。
「今の人の杖先見た?」
「カエルの顔みたいだったよねーー!!」
「おれもそう思った、そっちばっかり気になって見ちゃった。」
・・わしらは、何を聞いていたのであろうか。
この時から彼のニックネームは【カエル行者】となった。
遍路は、たいがい顔見知りになった同行者に
いろんなあだ名を付けているようだ。
他の人のHPなどみても、
身体の特徴をつかんだあだ名で呼んでいる。
お互い知り合っても、名前や身の上を語ることはほとんどなく
詳しく聞いたりもしないからだ。
次に来た男性は【ひげ行者】と命名。
みんな歩いて廻っている「行者さん」だからと
あだ名の下にみんな「行者」とつけることにした。
遍路小屋というのは、遍路のために休憩、野宿できるよう
各地域や自治体などが、造ってくれた避難小屋のようなものだ。
ここも自動水洗が完備され、木製のベッドもあり
宿泊可能な場所だった。
(小屋によっては、宿泊不可の所もある)
木のベッドに腰掛け、ひとごこち。
非常食のクッキーや、朝食についていた
バナナを食べようということになった。
そこへ一足遅れで、大荷物を背負った
例の修行僧風遍路がやってきた。
「こんにちは」と挨拶を交わすと彼も
「吉野川を渡ったら、いつもここで休むんです。
ご一緒させてもらいますよ。」
とベッドに腰掛けてきた。
わしらは、ちょっとずれて、彼のためのスペースを作った。
話し好きのようで、いろいろ話しかけてくる。
聞くところによると、彼はあるお寺の住職で
時間があると遍路をしているそうだ。
もう何十回と廻っていて、いつも野宿だという。
何度も廻っているだけあって、いでだちからして違う。
菅笠も、柿渋を塗ったりっぱな網代笠だし、
杖もその辺で売っている金剛杖ではなく
自然木を利用した、仙人が持つ杖のようだ。
で、遍路中に会った人々、社会情勢、
細木数子氏のことまで話してくる。
道中に、何人も手かざしで治療し
人生相談にものってきた。などと言いだした。
なんだか、半分うさんくさいような感じもする。
相方が隣なのをいいことに
わしは話半分、「お腹空いたなあ・・・」
等と思いつつボーッとしていた。
相方もはあ、はあ・・と生返事だ。
それでも20分ほど話したであろうか。
ひげを生やした50歳代くらいの
おじさん遍路がやってきた。
彼はすでに、この修行僧とは顔見知りのようだ。
さすがにここに4人は入れない。
これ幸いとわしらはお暇することにした。
小屋から離れてしばらくすると、どちらからともなく言い出した。
「今の人の杖先見た?」
「カエルの顔みたいだったよねーー!!」
「おれもそう思った、そっちばっかり気になって見ちゃった。」
・・わしらは、何を聞いていたのであろうか。
この時から彼のニックネームは【カエル行者】となった。
遍路は、たいがい顔見知りになった同行者に
いろんなあだ名を付けているようだ。
他の人のHPなどみても、
身体の特徴をつかんだあだ名で呼んでいる。
お互い知り合っても、名前や身の上を語ることはほとんどなく
詳しく聞いたりもしないからだ。
次に来た男性は【ひげ行者】と命名。
みんな歩いて廻っている「行者さん」だからと
あだ名の下にみんな「行者」とつけることにした。
by fudarakutokai
| 2004-10-28 13:30
| 発心の道場(徳島)